ピアカウンセラー 人権活動家 安積 遊歩

母豚に生き物として当たり前の人生を返したいと強烈に心から思ってメッセージします。

わたしは、社会ではいわゆる障害という身体を持って福島県に生まれました。2015年のこの時代であれば、出生 前診断で診断されることによって、もしかしたら誕生しなかった存在です。ただ、約60年前のあの時点には、生まれる前に障害があるなしをチェックするという凄まじい医療からの暴力 はなかったので、とりあえず生まれることはできました。
しかし、生まれたはいいけれど、福島県の片田舎での大学病院の医療は、わたしの身体の自由をありとあらゆる方法 で強烈に奪いました。骨折を繰り返しやすい身体であるために、20数回の骨折と、そのうえ生体実験のような手術を8回受けました。そのたびごとにギプスが使われ、足先から胸元まで それに覆われ、延べで約5年間動き回る一切の自由を奪われました。
妊娠ストールに入れられている母豚は、あのときのわたしと全く同じです。立ち上がることも回転することも、首を 上げることすら奪われているということがどういうことなのか、私にはあまりにもよく分かります。生き物としてこの世に命を受けたこと自体を呪い、恨んでしまいたくなること。大人は、私が骨折のたびに泣き叫んでると、完全に勘違いしていました。私があのときに泣き叫んでいたのは、骨折の痛み以上にその状態 が悲惨で、過酷だったからです。それは身体の自由を奪われることによっての強烈な苦痛、辛さでした。

わたしは、同じ身体の特質を持つ娘が何度骨折をしても、一度もギプスをさせませんでした。もちろん手術も彼女は 一度もしていません。なぜなら、ギプスをはめられて横たわると言うことは、小さな子どもにとっては妊娠ストールに追いやられて一生を終える、母豚と同じような絶望的な時間なのです。彼女はその時間を過ごさなかったために、何度も骨折はしていても、たくさんの冒険に乗り出す勇気と穏やかさを持っている人に 成長してくれました。

妊娠ストールに母豚を監禁し続けることは、同じ命を持つ生き物に対する凄まじい虐待、拷問です。相手の状況を思 いやることができる人間、人類がそれを続けるということは、自分の無知と残酷さを許しているわけで、そうしたことを続けるならば私たちの未来には一遍の希望も見いだせなくなります。今すぐ、妊娠ストールでの飼育を止めて下さい。そして同時に、肉食のあり方も見直して下さい。妊娠スト―ル に追いやられてい る母豚は、悲しみ も痛みも人間と同じように感じる力を持っているのです。まさに、私たちは生き物として共通のかけがえのない命を持っている仲間なのです。

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人権活動家
安積遊歩

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