妊娠ストール飼育と放牧飼育を比較
妊娠ストール飼育 | 放牧飼育 |
ほぼすべての哺乳類に友情があり、仲間が必要だと言われています。社交的だからこそ豚はとても良く人に馴れるのです。友達・家族は社会的な生活を営むこと豚にとって餌や水と同じように必要なものです。しかし妊娠ストールの中の豚は一頭一頭別々の檻に閉じ込められて一生のほとんどの時間をたった一頭で過ごします。 |
自然の中に放たれた豚は雌の豚を中心リーダーと子供たち、親類からなる安定した集団をつくりあげ、ともに行動します。寝るときは仲間と鼻を突き合わせて寝るのを好み、私たち人間と同じように夢を見て色をみわけます。 |
妊娠ストール飼育 | 放牧飼育 |
妊娠ストールに閉じこめられた豚は、何もできないストレスで目の前の柵をかじり続けたり、口の中に物が入ってないのに口を動かし続けたり、水を飲み続けたりという異常行動を起こすことが知られています。 |
豚は探索システムがとても活発で、自然の中で過ごす豚は、日中の75%を餌を探したり、草を食んだり穴を掘ったりして、歩き回って周囲を調べることに使います。 |
妊娠ストール飼育 | 放牧飼育 |
豚はとてもきれい好きで、決して自分の食べる場所や、寝床には糞尿をしません。しかしストールに閉じ込められた豚は寝るときもトイレをするときもずっと同じ場所で過ごさねばなりません。 糞がくっついてしまっても、身動きがとれないように拘束されているため自分自身で汚れを落とすことができず、不快なまま過ごします。 |
ストールの中ではできないことの一つが「泥浴び」です。豚は暑さを嫌い、汗腺の発達が悪く汗をかけないため、体を冷やす必要があります。水はすぐ蒸発してしまうため、冷却効果が長続きする泥浴びを好みます。泥浴びには体を冷やすだけではなくハエや寄生虫を寄せ付けない効果もあります。自分自身で健康を保つ術を知っているのです。 |
動物は本来取るべき行動が取れない、本能を満たされない、欲求が満たされない時、ストレスを感じます。そしてストレスは心身を蝕みます。